お盆が来ると思い出す「とったか」踊りとは・・・。

 テレビでは今日からお盆の帰省ラッシュが始まったと報じています。
 お盆という言葉を聞くと思い出されるのが地元では「とったか」と呼ばれた「遠州大念仏」です。
 遠州と言われるように浜松地方を中心に新盆を迎える家の庭先で大念仏供養を行うのですが、幼い頃に見た記憶と現実は少しずれがあるようです。

 記憶のイメージの中では、朝まだ明けきらない頃、遠くから太鼓や笛の音が聞こえ、その音が段々近づいてくるのをわくわくしながら待っている。
 やがて庭先に集まった花笠を背負った男衆が電球の明かりに照らし出され、総勢30人以上で勇壮活発に太鼓を叩きながら乱舞する様が思い浮かぶのですが、闇は闇でも現実朝方ではなかったようです。
 
 新盆は第2のお葬式とまで言われ、きらびやかな装飾がほどこされた壇飾りを背景に、遠くから聞こえた何処か物悲しい太鼓の音と目の前で打ち鳴らされる大音響の響き、華やかな花笠にとんぼ返りをするような激しい踊りの男衆とのコントラストが幼い日の記憶をどんどん膨らませてしまったようです。

 3年前、母の新盆に帰省した折は、今回特に頼まなかったと言われ、密かに期待をしていただけにちょっぴりがっかりでした。
 しかし、今では注文に応じて庭先までマイクロバスで乗りつけるとのうわさを聞き、思い出の中での「私のとったか」はそのままにして置こうと思います。