明烏、首ったけ、五人廻し、廓大学等々、かつてお墓に葬られた名前です。

 散歩にいい季節です。
 先日、ラジオで落語家の方がお墓めぐりの話をされていました。
 大先輩のお墓を自転車でお参りするのが趣味との由。
 お墓の前で一席伺ったのかどうかは聞き漏らしましたが、落語家のお墓で思い出しました。
 15~6年前お寺の境内めぐりをした時伺った中に「はなし塚」というお墓がありました。
 こちらはお墓はお墓でも人間様のお墓ではありません。
 日本が戦争に突入する直前、当局により落語界は演目についての自粛を要請され、廓、花柳、お酒、妾等に関する53演目を禁演して「はなし塚」を建て、その演目を葬ったのでした。
 戦後いち早く復活祭が行われ、艶っぽいお話は掘り起こされ、平成14年から毎年8月31日には「はなし塚まつり」が盛大に行われているとのことです。
 このはなし塚のある浅草・本法寺の塀には落語家の名前がまるで手形を押したようにびっしり書き込まれていますので、知った名前を探し当てるのも一興かと・・・。

 艶っぽい話だけではなく、お寺の境内では美人の碑もよく見うけられます。その代表が谷中の大円寺にあります江戸3大美人の1人と言われたお仙さんの碑。
 かつて毬つき唄にまで唄われた茶屋の看板娘は、当代きっての浮世絵師・鈴木春信描く美人画「笠森阿仙」のモデルとなったとのこと。
 現代のグラビアアイドルにも引けをとらせません。
 はるか昔に想いをはせながら、境内やお墓めぐりで一汗かくのもいいものです。