「おもてなしは母の遺言ですから・・・」お言葉に甘えていただきます。

 「日本航空の赤字と再建が話題になっている昨今、機内食が以前に比べ質、量ともガックリ落ちてしまったが、食事をケチったら台無しだ」という投書が東京新聞に掲載されていました。
 食することにおいてはご葬儀とて例外ではありません。
 いえ、ご葬儀のお料理ほど後々までご親戚の話題にされるものも珍しいのでは・・・。
 時としてアンケートに「大変気配りがきいた立派なご葬儀でしたが、出てきたお料理が今一つの感がありました」と遠慮ぎみに書かれた文面を読むと思わずご親戚の方々の反応は大丈夫でしたかと聞き返したくなります。
 
 ご葬儀のお料理に関しては皆様、特に女性の関心の深さがうかがえます。
 喪主の方からは「とてもおいしかったです。お通夜の時はその場で食べられませんでしたので、持ち帰りでいただきましたが、煮物など本当においしくて疲れが癒されました。」との報告を受けています。
 精神的にも肉体的にも疲れ果てている時に出会ったお料理で気持が癒され、立派に喪主を務める勇気が湧いて来たとのことです。
 また、もてなす側として「料理に関しても丁度よい分量でよかったです。葬儀社の方の判断で寿司等の追加をお願いした時、大きな桶ではなく、3人前の桶にしていただいたため、食べ散らかしが少なくすみました」との報告もありました。
 また、自分は食にこだわらないという男性の喪主の方からは後日出席された会葬者に当日のお料理について尋ね聞き、内容が良かったとの回答にホッとしましたとの報告をいただきました。
 
 時には通夜のお清めに故人の好きでなかったビールの銘柄が出され不満でしたが、精進落としには別な銘柄に換えていただき満足していますとの方、さほど期待していませんでしたが、お寿司が美味しくて大満足でしたとの方。

 お清めの席のお料理は大皿に盛られた寿司、オードブル、煮物、てんぷら等を中心に、一方の精進落としは会席弁当といったところが一般的ですが、通夜・告別式共精進料理のみで、または京都出身なので湯葉の料理を中心にしたものをというように、それぞれに趣向をこらしたものを注文される方もいらっしゃいます。
 中には精進落としはぜひ生前故人の行きつけの料理屋さんでとの方も。

 一方、受けてたつ葬儀社の担当者の中には関東一円の料理屋さんを数十軒も試して、やっと満足いただける料理屋さんに出会って何処にも負けませんというつわものも出てきています。
 ある喪主の方もおっしゃっています「おもてなしは母の遺言ですから」と。
 故人のためにも大いに飲んで、食べてあげてください。