顧客は囲い込めるものなのか

 周りに何人かいる、ポイント妖怪に説得されてしまい、現金での支払いはあまりメリットがないので、はなるべく現金で物やサービスを買わないようになってきました。ポイントはたまり、以後の買い物でポイントを利用すれば、確かにお得です。

 さて、ポイント妖怪に取りつかれて困ることと言えば発行体の違う様々なポイントを管理するのが大変なことのようです。

 しかしながら、何か不便があれば、不便を解消するというように時代が流れるのは法則みたいなものです。
 ポイントでいえば、発行体の違うポイント同士でも、ポイント移行できるようになり、さらには、それを電子マネーに変換できるようになる流れになってきています。まさに、様々なポイントを一つにまとめて、それを現金のように使えるようになる、めでたしめでたしという感じです。

 しかしながら、無理なことは長続きしない、という別の法則もあります。
 ポイントを企業側から見ると違った風景が広がります。
 顧客を囲い込むためにポイント制をもうけたのに、ポイント移行できる状況になればなるほど、ポイントの意味がなくなるじゃないか! (もちろん、中には恩恵を受けるところもありますが)
 しかも、色々なところで、うちのポイントが使え電子マネーにもなるとすれば、ポイント消化率100%近くになって経営を圧迫するじゃないか!
 独自のポイント制をしているところでは、ポイント移行できる状況になればなるほど、自店だけしか使えないポイントは顧客に魅力がなくなってしまうのはないか。

 どのみち、顧客を囲い込ための仕組み作りにポイントを位置づけると、競合他社を上回る高い還元率などを用意し続ける必要があり、互いが疲弊する消耗戦に陥らざるを得ません。

 しかしながら(三度目)、そもそも論としてポイント制度や会員制度によって顧客を囲い込むことなどできるものなのでしょうか? 

 そんな仕組み作りより、商品力やサービス力、ブランド力といった企業の本質的な価値を上げて顧客を増やすしかないような気もします。

 ちなみに、ポイント制はありませんが、葬儀社でも会員制をしているところはたくさんあります。しかし、顧客の囲い込みに大いに成功したという事例を聞きません。