家族葬にこそ弔辞を取り入れよう・・・。

 御家族・ご親族・ごく親しい友人のみのご葬儀が多くなる中、儀式としての読経が40~50分続くのはご列席の方々にとって時には苦行に感じることもあります。
 特に会葬者が少ない場合はお1人お一人が目立つので緊張の度合いも大きくなり、儀式としてつつがなく終わっただけの印象が強く、ともするとお別れの気持も削がれ気味になってしまいます。

 内輪のご葬儀だからこそ、最後のお別れをしっかりと心に留めておきたい方も多いのでは。

 先日、そんな思いにピッタリのご葬儀に出会いました。

 御家族・ご親族中心の家族葬に永年の友人もご参列され、引導を渡す読経の後、ご住職から少しお時間をいただき弔辞を読まれました。

 弔辞ではお身内の皆さんが知らないお仕事での活躍ぶりが披露され、ご列席の方々は大いに納得し、満足げなご様子でお別れが出来たようです。
 
 告別式の後、奥様が友人に「全部言っていただきましてありがとうございました。長生きしているとご縁が遠くなるのは寂しいです」とお礼をされている姿にはどこか毅然とした決意のようなものが感じられました。

 弔辞が読まれ、最後のお言葉を掛けてあげられた安堵感で皆様のお気持も和み、再び始められた後半の読経がより鮮明なものになっていきました。