「見積りはファックスか、郵送どちらにしましょうか」
「お母さん、どうしよう。ファックスの方が早いわよね。じゃあ、ファックスでお願いします」
事前相談とはいえ、電話口の方の受け答えにはまだ、余裕さえ感じられました。
数時間後、その見積りが必要になるとは御家族どなたも想像さえできなかったのでは・・・。
ご葬儀の相談をしていると、このようなことが度重なって起こることがあります。
中には御本人様の体調が安定してきたので今日退院され、ご自宅に戻られたのでご相談の続きをされたいと、半年ぶりに依頼者のお嬢さんからメールを頂いたその晩、急変され旅立たれた方もいらっしゃいました。
「私も本当にびっくりいたしましたが、あさがおさんとは何か見えない糸で繋がれている様な不思議なご縁を感じました」
後日、お嬢さんからご葬儀のご報告と丁重な御挨拶をいただいたのは、言うまでも有りません。
また、ご自身の最期を感じ取り、側から見ればお元気そうなのに、ご自身のご葬儀の相談をされ、1ヶ月後、後を任されたお兄様からご連絡をいただき、にわかに信じられない思いにさせられたこともありました。
当方とはメールでのやりとりでしたが、あまりに落着いたしっかりした文面に、時としてどなたのご相談でしたっけ・・・と、思わず読み返してしまうほどでした。
葬儀社の担当者は1週間前にお会いして綿密なご相談をされたばかりとのことで、笑顔が思い出され、同年代として思わず込み上げてくるものありますとしみじみおっしゃっていました。
人間、一人ひとり、最期っていつ来るのでしょうか。
東日本大震災から間もなく半年が過ぎようとしています。
今年の夏は「寿命」のことが走馬灯のように、いろいろと思い巡らされました。