今年も残り1ヶ月を切ってしまいました。
清々しい新年を迎えるためにはその前に大掃除という面倒な仕事(?)が待ち構えています。
いつのころからか畳を上げての大掃除風景は見られなくなりましたが、「暮れのすす払い」は1年の締めくくりとして残しておきたい行事の一つです。
この1年を一生に見立てると、最後の大掃除は、跡を濁さないためにも重要で、大掃除の「後始末」は大事なキーワードになるようです。
1人暮らしの友人は引越しを機に最小限必要なものを残し、大事にしていた焼き物は火災に遭ったお寺に、大切な書籍は母校に寄付したとのこと。
また、趣味のコレクターの「後始末」には決断も不可欠な要素になってくるようです。
以前、大正・昭和初期からの子供の遊び道具を長年集めていらっしゃった方から珍しいもの、懐かしいものを沢山見せていただいたことがありました。
二部屋ほどをぶち抜いた陳列室には、数え切れないほどの紙細工や紙のおもちゃの類が所狭しとばかりに積み重なるように置かれ、暫しその中で時間の経つのも忘れるほど遊ばせて頂きました。
しかし、当主のコレクターがお亡くなりになった後、残された御家族にとっては薄汚れた紙切れ同然に過ぎないものが多く、この後始末が大変だったことを人づてに聞かされ、何とか残す手立てはなかったのかとはなはだ残念に思ったものでした。
最近、写真を50年以上撮りつづけてお亡くなりになった知人の奥様からは、何万本もあるネガの整理をお願いされ、来年早々から有志・皆で手分けしてルーペ片手に着手することになりましたが、一部屋分のネガ整理には相当な時間を要しそうです。
このように趣味の類のものは、残された方々にとって価値が分らず途方にくれてしまうことも多く、時として不本意な扱いをされてしまいがちになります。
そうならないうちにご自身で後始末をされることは、取りも直さず御家族の為、それ以上にご自身のためでもあると思うのですが・・・。
年末の大掃除を機会にそろそろ「後始末」のことも考えておきましょう。