最近の遺影写真エトセトラ・・・。

今にも画面から飛び出して「やぁ、いらっしゃい」と、片手を上げてお客様をお招きするようなポーズに、ご会葬のお客様も思わず片手を上げ、「やぁ、しばらく・・・」とご返事されそうなお写真でした。

 遺影の写真と言えば上半身というよりバスト上くらいのお顔写真が多い中、お父様のお人柄がよく出ているこの写真を遺影に使いたいとのご喪家からの強いご希望がありました。
 真四角に近い画面の故人様とご対面された方々は終始温かな空気に包まれ、通夜のお清めでも思い出話は尽きなかったようです。

 一方、先日奥様を亡くされた御主人が素顔の素敵な奥様の写真を遺影用に作られましたが、親族会議で奥様の姉妹からの反対にあい、ご葬儀前日夜、急遽作り変えるというハプニングもありました。
 クレームの原因は化粧なしの素顔にあったようです。
 御主人は素顔のままの笑顔が一番との思いでしたが、最後の思い出に残るお顔は綺麗にお化粧された姿でなければ可愛そうというのが、仲のよかった姉妹の方々の反対理由です。

 正直、女性の目線から言えば、姉妹の方のお考えはごもっともですし、少々ややこしいことに、これから御主人のそばでずっと御一緒される写真ですから、御主人のお気に入りが一番のこともまたごもっともです。
 ここは御主人が姉妹の仲のよさに免じて1歩ゆずりましたが、思わぬところで女性目線、男性目線の違いが浮き彫りにされたようです。

 女性の皆さんはいかがお考えでしょうか。
 取っておきの一枚の写真。
 綺麗に撮れていることに越したことはありません。
 やはりこれは残された方々のためにも、お元気な今のうちにご自身で納得のいく写真を選んでおく必要があるように思われます。