6月の梅しごと

久しぶりに部屋いっぱいに芳醇な香りが漂っています。
 笊に広げた梅の実が完熟に近づいてきました。

 私ごとで恐縮です。
 2年続きの台風による被害で壊滅状態だった実家の梅の木も回復し、今年は生い茂った葉の裏側にはびっしりと実が連なっていました。

 20年近く前、母が元気だった頃植えた15本程の梅の木も、母の手入れのおかげで順調に伸び、いつの間にか実を結び、今では「母の供養のために」と半ば強引に、娘が友人知人にお送りする始末です。
 それでも勝手にお送りするうちに当てにされ、季節になれば当然来るものと思われていた矢先、突然の中断を余儀なくされたこの2年間に「梅しごと」からつい遠ざかってしまわれた方もいらっしゃったようです。
仕事を持った忙しい身、それでも再び、後ろから背中を押されると、この機会を逃さずに挑戦してみようと決心されたそうです。

 何を隠そう。送っている娘もその張本人のひとりです。
 梅酒、梅ジャム、梅シロップ、梅干し・・・と今の季節だけに集中する梅にまつわる様々な手仕事を称して、季語には見当たらないが、昔から「梅しごと」と特別に呼ばれているとのこと。

 久しぶりに友人から送られた梅干しづくりのレシピを前に、今年こそは「梅しごと」を全うしようと決意も新たにしています。

 梅の収穫に合わせて、久しぶりに実家のお墓参りも済ませてきました。
 こと寄せた季節外れの墓参りと梅の収穫には母も苦笑していることでしょう。