ご葬儀での出来事

  ご葬儀の立会いにお伺いしたり、ご葬儀後にお願いしておりますアンケートでは、ご相談者からお褒めのお言葉をいただき、恐縮しております
が、時にアクシデントが起きたり、ご注意をいただく場面もございます。
  
 急なことで、途方に暮れている時、親身になってご相談に乗ってくれ助かりましたとのご報告に思わず胸を撫で下ろしますが、時に葬儀社の担
当者として良かれとしたことが、思わぬ方向にいってしまうこともあり、ご紹介した当方も最後まで気が抜けません。

 以前、横浜での大型のご葬儀の際、着々と祭壇が設営され、数多くの供花が整然と並べられ、しめやかに通夜の読経が始まって間もなく、静寂
の中ガタッという音と共に屏風の端が突然傾き、前の供花にあたり、お花が少し傾いたことがありました。
 
 一瞬の出来事に葬儀関係者は青ざめましたが、それ以上のことはなく、式はそのまま続行し、終了後元通りに直されましたが、ご喪家始め、関
係者の皆様には多大なご迷惑をお掛けしたことには間違いございません。

 さらに、傾いた供花はお身内に不幸が続いた方からのものとご相談者から伺い、翌朝担当者は祭壇製作者と共に、供花をいただいたお宅にお詫
びにお伺いして、ご理解をいただき、無事ご葬儀を終えることができました。

 当初、大変ご立腹のご様子だったご相談者も、担当者の率直なお詫びと迅速な対応に動かされ、後日、故郷でのご葬儀も手伝ってほしいとのご
連絡をいただく程に、お互いの信頼を回復されたとのこと。
 担当者がお花を持って馳せ参じたことはいうまでもありません。

 どんなに素晴らしいご葬儀であっても、一瞬の気のゆるみで、全てが覆されてしまうことを実感した出来事でした。

 また、最初のご相談から何年かぶりにご連絡をいただいたご葬儀では、ご相談者から担当者の適切なアドバイスや細やかな気配りに感謝のお言
葉をいただきましたが、一つだけ遠慮がちにお話されたことがございました。

 100歳を越すご長寿の方でしたが、ご逝去4日後にラストメイクがほどこされたお顔はご相談者のお母様のイメージとは大分かけ離れてしま
い、大変戸惑われたご様子をお話いただきました。
 
 担当者に伺うと、ご逝去後少し時間が経ち、お顔が黒ずんできたのでメイキャップアーチストにラストメイクをお願いされたとのこと。
 「よりきれいに」を意識されたメイクよりも、いつものお母様のお顔でお別れがしたかった。
 たかがメイク、されどメイクです。
 小さなことのようですが、大きな問題だと思います。
 ご遺族の心情を察して、より心のこもった対応の必要性を感じたご葬儀でした。