以前、神奈川県大和市にあります大和斎場に立会いで伺った時、式場入口脇の看板に書かれた「厳粛な儀式を行うため、会葬者の通夜のお清めは読経終了後とさせていただいております」の文字を見て思わず頷いたものでした。
仏式の通夜の場合、一般会葬者はご焼香が終ると、式場から退場し、お清め所に誘導され通夜ぶるまいを受けます。
先ほどまで沢山の会葬者に見守られていた式場も御家族・親族だけになり、一気にガランとした雰囲気になるのは否めないようです。
ご焼香が済んだのだからと言えばそれまでですが、脇で立会っている者から見るとせめて通夜式が終るまで集まった方々と故人が共有の時間を過ごせないものかと思っていた折でした。
式場担当者に伺うと、こちらの思惑とは多少ニュアンスが違って、式場とお清め所が隣接しているため、ご家族が悲しんでいる時、隣で騒いでいるのは如何なものかということから通夜ぶるまいは読経後となったようです。
理由はともあれ結果、大多数の参列者が式場に残り、通夜の読経が終るまで一緒に故人を偲ぶことができ、好評とのことです。
一方の無宗教葬やキリスト教葬の通夜では、式の最初から最後まで会葬者全員が共通の空間で悲しみを共有することができ、その点では参列した人の感銘度も高いように伺っています。