社葬と一口にいっても様々なケースがあり、おかれた立場によりニュアンスの違いがでてくるようです。
最近立会いに伺った中にも画廊経営の方とIT関連企業経営の方の社葬がありました。
双方とも故人は団塊の世代でまだ働き盛りなのに、突然、人生のリタイアを宣告されてしまいました。
画廊経営の方の場合、始めの段階では一般葬としての見積りで進行したのですが、ご夫婦が中心となって会社を経営されていらっしゃったので、残された奥様のためにも少しでも経費節減をと葬儀社の担当者が提案し、実行されました。会葬者は通夜と告別式を合わせて200名ほどで立て看板を見なければごく一般の神式のご葬儀でした。
IT関連企業の場合はすでに社葬の1ヶ月以上前にご葬儀は内輪だけで済ませていました。こちらの会社幹部の方から依頼があったのはご葬儀後でした。ご喪家としては葬儀は済ませていますので社葬のお別れ会は会社に一任され、口出しされなかったようです。依頼者の実行委員の方は「抑えられるところはできるだけおさえたいが、きちんとした社葬で品よくお別れ会をしたい
」という希望でした。
1人息子のご長男への引継ぎが慌しく行われているなかでの社葬の準備なので、そのあたりを
一番考慮しながら進めてきましたと葬儀社の担当者は語っていました。
ご喪家は突然の悲しみに浸るまもなく、4月1日をもって新就任されたご長男にとり、この社葬はお父様の意思を引き継ぎ、存在をアピールする大切なお披露目の場でもあります。
ある意味では今後の会社の存続に関わる重要な儀式でもあるようです。
係りを社員総出で受け持ち、協力的で積極的な姿勢は社内の雰囲気をよく表しているようです。
ご喪家をお送りした後、運営実行委員長は「明日からといわず、今から新しい出発です」と係りの社員にゲキを飛ばしていました。