ご葬儀はやり直しがきかないものです。その分、色々と予想外のことも起きます。
出来事には一つ一つ乗り越えていくしかありませんが、ベテランの担当者ともなるとただがむしゃらにぶつかって行くのではなく、、豊富な経験を踏まえて、俯瞰で物事を見ながら、どんな時にどう対処するのがベストなのか判断し、常に自分の中で流れを創っていっているように見受けられます。
またそれが見る人にとって安心感と写るようです。
その安心感こそがご喪家にとっては不可欠なものと思われます。
ご親族以外の会葬者数が読み辛く当日まで分からない場合があります。
問い合わせやら供花の数やら、もろもろの現象から判断し、様々なシュミレーションを描きながらあたっても予想外のことは起こります。
予想会葬者150名ほどのご葬儀に通夜客が500名近くいらっしゃったことがありました。
内200名近くは中高生とそのご父兄の方々で故人のお子さん達の同級生。また親族を除く250名近くが故人の会社関係者とのこと。
斎場は最大300名ほど収容の会場なので、半数近くの方には寒い戸外でお待ち願い、特に中高生は多少の暖房では効かない寒さに耐えて頂く羽目になってしまいました。引率の先生は生徒達のお食事は結構ですとおっしゃていたのですが、親族側から他のご葬儀の時も頂いたから今日は是非との急な提案をされ担当者は困惑。結果としては、会社関係のかたが殆どお食事をされなかったのでなんとか事なきを得たようです。
また式場のイスの関係もあり、一般ご焼香も3列しか出来ず、かなりの長時間になってしまったようです。担当者は度重なる難題に少々ばたばたしながらも一生懸命取り組んでいました。このような時ベテランの担当者だったらどう取り組むか色々考えさせられました。
以前、親族10名ほどの無宗教葬をご希望でしたが蓋を開けたら100名近くの会葬者がいらっしゃった時の担当者のことを思い出しました。
矢張り、通夜前日問い合わせが葬儀社に殺到したので、急遽お食事を30人分に変更。故人はインターネット関係の現役の方でした。あっという間に知れ渡り、通夜客は増えるばかり。さらに都合が悪いことに、式場はお清め所が見渡せるオープンな空間にありました。担当者は会葬者を出来るだけお清め所に行かせない策を練りました。
幸い無宗教葬なので一般会葬者のご焼香の後も皆さん閉式まで式場にいらっしゃいます。閉式後そのまま棺の蓋を開け、続けて通夜客のためのお別れ会となり、献花をしていただきました。献花のお花も生花の中から切花にして、お一人ずつに手渡され最後のお別れになりました。献花が終ったのはお清めの時間も大分経ってからでした。
翌日のご葬儀も通夜と同じくらいの会葬者が集まりました。時間の配分を考慮し、ご焼香から最後のお別れ花まで会葬者全員でお一人ずつ手向け、無事定刻5分前には出棺となりました。途中かなり時間が押しても皆さんじっくりとお別れすることが出来ました。気が付くと担当者のペースにはまっていたようです。