ベストセラー「大往生」から14年後の現実は・・・。

 永六輔著「大往生」という本が14年程前にベストセラーになりました。
 これからの高齢化社会に対処すべきことを、マスコミが取り上げた最初のブームのころでした。
 一般の人が発した言葉を軸に書かれている本は病の章で「癌」の告知について、告知できる技術を持った医者が告知されても受け入れられる能力を持った患者とめぐり合った時だけに限られるべきだ。医者たるもの、心優しく現実に立ち向かう学習をしてほしいと書かれていました。
 告知はそれ以前から言われていましたが、患者の心の準備など無視した医者サイドの一方的な報告が多かったようです。

 それでは最近ではどのような変化が起こっているのだろうか。
 その変化の兆しとして慶応大学医学部にはお坊さんによる授業があると、朝日新聞が報じていました。
 授業は宗教を語るのではなく、、実際の現場での患者への接し方をロールプレーイング(役割演技)で学生にやらせ、答えのない難しさのなかに仏教の教えを伝えていくとのこと。
 学生達も将来の医師の役割を考える材料になるのでは。
 10年経って、ようやく兆しが見えてきたようです。