その人らしさを演出する花祭壇とは・・・。

 ヒマラヤで撮影中、雪崩に巻き込まれた山岳テレビカメラマン・中村進さんのご葬儀の記事に荼毘に付されたチベット・ラサの青い空と白い雲をイメージした花が飾られたと記されていました。
 
 最近のご葬儀では都会を中心に、男女を問わず祭壇と言えばお花が主流を占めてしまった感があります。
 少し前までは花祭壇は白木祭壇に比べ割高でしたが、お花の方が量の多少でお値段的にも融通が利き、ご要望にもそいやすく、また、ご喪家側も最後柩に納めることができ、飾ったお花は使い切ることができる安心感も手伝い、いつの間にか逆転されてしまったようです。
 お花が少数の頃はただ華やかさだけに目を奪われていましたが、最近はその方らしさが出た花祭壇が演出されてきています。
 
 スキーが趣味の方には雪山をイメージした祭壇で奥様から感謝され、長年シップドクターを勤めた方には船をイメージした祭壇で、集まった同僚の方々も大いに感激されたとの報告を受けています。
 ご葬儀が母の日と重なり、遺影の周りを急遽沢山の赤いカーネーションで囲んだり、赤が好きだとだけ伺い創った祭壇を一目見た奥様が結婚式の時のブーケと同じ花とびっくりされたりとバラエティーに富んだ祭壇が目につくようになってきました。
 
 お花に託された最後のメッセージを皆様に受け取っていただき、そのお気持ちをお別れ花として柩に入れていただく。
 形式だけではない、それぞれ個性あふれるもの、こだわりのものに変わっていく気配が感じられます。