新盆を第2のお葬式と呼んでいる遠州地方の方にとっては遠州大念仏以上に大事な行事が盆義理です。
遠州大念仏が嘗ては町内の新盆の家を1軒1軒回っていたので、多くの人が新盆のお宅を訪問する機会を経て、それが根付いたとも言われています。
お盆の間中、喪服を着た方が町内を右往左往する姿が見られ、新盆が重なったご親戚同士時間の調整のやりくりが重要課題になっているようです。
お葬式で伺ったお宅には必ず伺う為、新盆のお宅を何軒もはしごするはめになり、タクシーをチャーターして次々と訪問する方も見受けられます。
お招きする方もともすると百人単位のご接待になってしまいます。
ご葬儀と違って、これを全て家人が執り行わなければなりません。
しかし、伺う方も「盆供」と書かれた不祝儀用ののし袋をお供えし、ご挨拶が済んだら、長居は無用と出されたお茶とお茶菓子を頂き、次のお宅へ早々に移動します。
まさに義理の社会が生き続ける盆義理ですが、一説には盆限りと書き、お盆限りのことだから他人に任せてはいけないことだとも言われているようです。