冷静なリピーターに感謝する。

  「4年前に御社にお願いした者ですが、叔父が病院で先程亡くなりましたので、またご紹介いただけますか」お電話の主はてきぱきと話を切り出しました。

  お話をお伺いした後、ただちにご希望の斎場に精通したご要望に合うと思われる賛同社をご紹介し、様子を待ちました。
  まもなく賛同社から、今病院にお迎えに伺う途中との連絡を受け、ほっと一息つき、こちらも急いで4年前のファイルを紐解きました。

  アンケートとご寄付まで頂いておりました。
  しかし、頂いたアンケートを見てびっくり。
  そこには丁寧なきちんと整理された文章で、当時担当した賛同社への辛口の批評が書かれておりました。
  どんな行き違いがあったにせよ、ご迷惑をおかけしたことには相違ありません。

  ご葬儀の立会いにお伺いする日、先ずはお詫びをと勢い込んで斎場に入るやいなや、「やあ、以前にはお世話になりました」とご依頼者の明るい声に先手を打たれてしまいました。
  「今度は良い方を紹介して頂いてスムースに執り行っていますよ」場所のことも一瞬忘れ、思わずこちらもにっこりしかけ、あわてて非礼をお詫びする始末です。
  当時の賛同社のことはともかくも、万が一の時はまたお願いしようと当センターに全面的な信頼を寄せていらしたとのこと、ひたすら頭の下がる思いです。

  最近は大分趣が変わってきたとはいえ、マスコミを初めとした巷の噂でまだまだこの業界の苦情を耳にすることも多い中、冷静な判断でリピートしていただけたことは何事にも代えがたいできごとでした。

  ご葬儀は100人いれば100人それぞれ違います。
  ご喪家それぞれの立場に立ち、少しでも御満足いただけるよう、注意を払っておりますが、施行する担当者との疎通が十分行き渡らないままあわただしく日程が消化されるようなことがあれば、後々両者共々後悔するはめに陥らないとも限りません。

  そのためにも当センターでは見積りをお取りした後、出来るだけ葬儀社の担当者と直にお会いすることをお勧めしております。
  たとえ優秀な担当者であっても、ご葬儀はデリケートなことも含めて、ご喪家と合う合わないということもあり、また見積りだけでは分りにくい内容等の不安も解消されるのではとの観点からもお願いしております。
  地道なご紹介が皆様のご納得いくご葬儀の近道だと信じています。

  先日も95歳のお父様をお見送りしたご葬儀に立会い、ご相談者からは「良い葬儀社をご紹介いただいて感謝しております。母の時もよろしくお願いいたします」とその場で早くもお母様の時の御予約までいただきました。
 傍らのご高齢のお母様はにっこり微笑んで頷いていらっしゃいます。
 お役に立てるのは、ずっと先であることを願いながら、承諾いたしました。