タクシーに乗り込んだ先輩を大通りに出てお見送りしていると、信号待ちしていた先輩のタクシーに真後ろから1台の車が突っ込み、目の前で信じられない光景が展開され、呆然としているところで、目が覚めました。
しばらくは夢の世界の出来事に、もしかしたらと不吉な予感を感じ、電話が鳴るたびに「どうか正夢ではありませんように・・・」と受話器を取る始末です。
それでも周りの朝の元気な声に励まされながら1日が始まりました。
なぜこんな夢をと考えていると、ハタと思い当たるふしがありました。
もしかしたら前夜ご葬儀のご依頼をされた方の影響かもしれません。
たったお一人のお身内の方の急死に駆けつけ、混乱された中でのご依頼で、お気持ちが当方にまで乗り移ってしまったことが発端なのだろうか。
死という事実がにわかに信じられないという共通点が依頼者の現実と私の夢の中で妙に一致しているようにも思えてきました。
仕事柄、死という言葉が電話やメールを介して、日常的に飛び交ってはいますが、現実の場で慣れるということはなかなかできません。
ご葬儀の立会いにお伺いして6年ほど経ちますが、特に最後のお別れの場面ではお一人おひとりがお気持ちの中で故人様と真正面に向かい合い、目前に迫る永遠の別れに、はたからお伺いしていても、なんとも形容がつけられない身を切られるような痛みを感じることもしばしばです。
悪夢から半日以上経ちましたが、先輩のご家族からは何のご連絡もありません。
連絡ないのは良い知らせと、今、少しほっとしています。
葬儀社の担当者からは「昨晩の方は一晩ゆっくりお休みいただいて、本日無事打ち合わせを済ませました」との連絡を頂きました。