直葬でのお別れの仕方

  「皆さんほぼ1日中いらっしゃいましたね。ずっとですからちょっと大変でした。さらに喪主様の息子さんは火葬までの4日間、毎日のようにお見えになられましたから・・・」

 ご葬儀の式は執り行わずに、火葬のみをご希望されたご相談者から、お母様の事後の相談をお受けし、自社に霊安室を所有している賛同社さんをご紹介させていただいた、後日談のことです。
 
 小規模なご葬儀を得意とされている賛同社さんは、「丁度その間、霊安室での他家のご面会がなかったので、なんとか大丈夫でした」とのことですが、年明けのお忙しい時期と重なり、担当者も時間の調整が大変だったご様子です。
 定員5〜6人の安置室ですが、20名近くのご親族の方々がお見えになり、2階の休憩室でお待ちになりながら、交代でご面会されたとのこと。

 後日ご相談者からいただいたアンケートでは、お別れの時間が取れたことへの、感謝のお言葉が綴られておりました。

 様々なご事情で、通夜、葬儀・告別式のお式を省いて、直葬の形で火葬のみをご希望される方が年々増えておりますが、火葬場ではすでにご葬儀でお別れされていることが前提になっておりますので、炉前でのお別れの時間は、殆どの場合5〜10分程しか取れないのが現状です。

 そんな中、ご葬儀のお式をご希望されない方の中にも、ご自宅以外にご安置されている方とのお別れの時間だけは、ゆっくりお取りになりたい方が増えているのも事実です。

 様々なご要望にお応えすべく、臨機応変な対応が可能な葬儀社さんの中には、お部屋にご安置して、最初から柩のお蓋をお取りして、1時間の自由なお別れの時間を設けたり、中には前述のように、サービスで時間制限がなく、安置所にてご自宅でのお別れのようにゆっくりできる葬儀社さんもございます。
 お別れの仕方も様々に変化してきています。

 今後さらに、ご要望の細分化に伴い、それに似合うべく努力を惜しまない葬儀社さんもいらっしゃいますので、ご葬儀に関するどのようなことでも構いません。
 まずはご希望をお尋ねされることから、始めてみましょう。