直葬あれこれ

  7年程前、TBSラジオのトーク番組で「最近のお葬式で直葬が都会を中心に増えている」ことについての是非が問われ、大いに議論されたことが懐かしく感じる程、直葬のご要望も昨今ではごく一般的な話題にのぼってくるようになりました。

 当時、賛成反対の割合は6対4程で、「葬儀の金銭面だけをそぎ落とせばそれでよいのか。昔から老い支度といって皆さんいざという時困らないようにそれなりに貯めています。また、ご住職から葬儀の意味を教えてもらいましたので、簡素化に走るだけでよいのか疑問が残ります」と、強固に反対されるご意見も多数よせられておりました。

 当センターにご相談される方もほんの少数でしたが、7年の歳月は大きく、様々なご事情で直葬を希望される方も大分増えて参りました。
 同時に、ご要望も細部にわたり様々出て参りましたが、矢張り皆様の最大の願いは、故人様とのお別れだけは心ゆくまでされたいご様子です。

 直葬では式場での葬儀・告別式がございません。
 当日火葬場に集合していただき、通常いきなり炉前での10分程のお別れのみになりますので、担当者に促され、お気持ちの整理がつかないままに進行し、後で悔いが残る方もいらっしゃると伺います。

 その様な方々の為にも、小規模ながら安置所を自社に所有されていらっしゃる葬儀社さんの中には、安置所でのお別れがゆっくりできるような、臨機応変な対応をあれこれと工夫し、取り入れる社も見受けられるようになりました。

 当センターの賛同葬儀社さんの中にも、地域にもよりますが、自社の安置所でのお別れをご希望の方に提供している社もございますので、ご相談いただければと存じます。

 お別れの仕方も、火葬場に向かわれる前日、ご面会料はいただきますが、1時間程お時間をお取りできゆっくりお別れができる社、または無料で、当日朝ご自由に来ていただいてお別れが可能な社、同じようにご出棺30分前にお越しいただき、お花入れができる社、中には火葬のみにもかかわらず、和室にてお布団のままご自宅にいらっしゃるように、お線香をたいて一晩付き添うことも可能な社と様々ですが、お手伝いをする担当者のお気持ちは、悔いの残らないお別れをしていただくことに尽きると存じます。

 また、交通事情等もございますが、火葬場での集合時間には十分お気を付けください。
 以前、炉前でのお別れに、間に合わなかった方がいらっしゃいましたので。