会社の社長や会長などが亡くなったときに、会社が主催して行う葬儀が社葬です。会社が費用を負担し、運営の責任を持ちます。一般的な葬儀に比べ、社葬は会葬者数が多く、おおむね大規模な葬儀が執り行われます。
最近の傾向として、社葬は「合同葬」方式と「お別れ会」方式が増えています。合同葬とは遺族と会社が合同で行う葬儀で、死亡後それほど時を経ずに行われます。一方、お別れ会は、死亡後の密葬の後、1~2ヵ月後に行われます。
大規模な葬儀というのは会葬者数が多いということです。それにともない費用もかかります。それゆえ、規模の小さい葬儀では考える必要のないことも、考えなければいけないことがたくさんでてきます。人が多く集まり、関わる人が多いということは、きっちりとやらないと混乱を招く恐れがあるからです。
一例を挙げますと、社外的な告知活動はきわめて大事なので、連絡先名簿を作成、お知らせする範囲とランクを整理し、告知のタイミングと内容もよく練っておく必要があります。たとえば、第一報の訃報で、社葬を行うことを明確にしておかないと、身内だけを想定した密葬に、多くの会葬者が訪れたりする事態を招かないとも限りません。
また、社葬にかかった費用を経費として計上するためには、取締役会議での社葬に関する議事録と領収書が必要です。全ての出費に対して領収書を取っておかなければいけません。
ただし、社葬への会社の支払いが一般的に見て過大であると税務署が判断した場合、たとえ領収書があっても故人への退職金または賞与の一部とみなされ、遺族への税負担がかかる場合もあります。支出に関してはそういう場合を考慮した配慮が必要です。
いずれにしても、社葬は会社の体制を内外に示す好機と捉えることもできますので、一般の葬儀以上に葬儀社選びは重要になります。社葬のノウハウを持ち実績のある葬儀社を選ぶことが大事です。