ご喪家のご要望で生前故人が愛用したものや趣味の作品、家族との思い出の写真を式場のコーナーに飾り、葬儀に出席していただいた友人知人に見ていただくことがよくございます。
通夜や葬儀の始まる前、悲しみの中にもそのコーナーの周りはおしゃべりと時には笑い声さえ聞えます。
生前、なかなかお会いできなかった故人との思い出が、1枚の写真を巡ってよみがえって来るようです。
1枚1枚の写真はごく普通の家族のスナップ写真であっても、その時代に関わった友人にとって貴重な最後の1枚になります。
昨年、ご喪家からいただいた礼状の中で思い出コーナーに触れたものも幾つかございました。
なかでも、コーナーの作成を葬儀社のほうで全てやる場合と、ご家族の皆様に手伝ってもらい、少しでも自分達の葬儀である実感を味わっていただくやり方があります。
頂いた礼状は後者の方でした。通夜の当日午後2時くらいから準備に入りました。
「母や妹夫婦と思い出コーナーなどをあれこれ準備しておりますと、親族の結束も深まるようで、また、展示した若き日の父母や、幼い私どもの写真を間に会葬者との話も弾み、親父がおれも話にいれてくれと話しかけてくるような心温まる葬儀になりました。」とのことでした。