以前、葬儀社にご挨拶に伺った時、開口一番祭壇の前に置かれている柩を如何思いますかといわれ、正直とっさに返答に困ったことがありました。
祭壇は亡くなった人を飾るのであるから、亡くなった人が綺麗に飾られているかが問題で、そのためにも柩は祭壇の上に置いて飾るのが大切ではないかと言われました。
葬儀社は故人との接点はないので生きているという存在として捉えると、どうして柩が前にでられるのか。それは物として扱っているからではないかとのご指摘でした。
「うちは参加指導型でやっています」とは担当者の言葉です。
「葬儀社が全てやってしまうのではなく、ご喪家の方々にもお手伝いしてもらいながらやることで、皆さんに参加するという意識を持ってもらうことが大切だ」ともおっしゃる。
こちらでは故人のメイクもプロに頼まず、ご喪家の方々にも参加してもらい、お手伝していただく。そうすることで、ご喪家と同じ目線でどうしたいかを話し合えるとのことです。
通夜・葬儀・告別式の儀式が中心になってしまうが、中心はあくまで故人であることを忘れずに・・・。長い生涯の中でたった3~4日を如何に大切にできるか。
先ずはご自宅に帰り、その日1にちはゆっくりお布団に寝かせたい。
翌日、お布団の上で身体をご家族の手で拭いて貰ってから納棺。夜中そばで見守ってあげたい。
次の日に初めて通夜となる。こうして死という現実を分かろうとする時間が必要であり、お孫さん達も亡くなった人に対する意識が変わり、接し方も変わってくるようです。
最後のお別れも、できるだけゆっくりお花を柩に入れた後、柩の蓋を閉めるまでの空白の時間を大切にします。
喪主の方を見ながら声をかけ、タイミングを計ります。皆様にお別れがゆっくりできましたと言われるように。
職人気質・葬儀社さんのこだわりです。