通夜の喪主の役目は駆けつけて来てくれたお客様にご挨拶とお礼をすること。

 お葬式の弔問客は地方の場合通夜よりも葬儀・告別式がメインですが、都会では友人知人の殆どが通夜に参列され、葬儀・告別式はごく身近な方中心になるようです。
 忙しい生活の中、なかなか会えない友人・知人も最後の別れには取るものも取りあえず駆けつけてくれます。
 ところが、折角駆けつけてきてくれたお客様に当の喪主は中々お礼を言う機会がありません。通夜の弔問客が来る頃には葬儀社との打合せ、ご住職との打合せに没頭され、時間が取れません。読経が始まれば喪主の役目を果たすべく、ご家族・ご親族の並ぶ最前列に着席し、遠方から会釈する程度になってしまいます。
 一般会葬者はご家族・ご親族の後ご焼香となり、そのまま係に誘導され簡単にお清めをし、お帰りになるので、ご挨拶もままならない状態です。
 
 葬儀の立会いに伺った時、ベテランの担当者にこのことを問いただすと通夜の式はもっとくだけてワイワイなった方がよいのではと。
 「通夜は折角来て頂いた会葬者とお話しすること、目を合わせることが大切」が持論とのことです。
 そのために通夜の喪主席は一般会葬者のご焼香台の手前になるようです。200名近くの前日の通夜でも喪主の方はお一人お一人に挨拶され、3人ほどは立ち話になってしまわれたようです。
 読経途中担当者は喪主の方を促してお清め所に行き、お客様にお礼を言うように進言されたようです。
 若い喪主の「有難うございました」のご挨拶に故人の友人・知人の方々は一様にホッとされたようで、ビールが随分出たとのことです。