当センターの賛同社から見積りを取り、郵送しようとした矢先に「父が急変しまして、今亡くなりました」との電話が入りました。
受話器をそのままにしていただき、その間すぐさま葬儀社に連絡いたします。
病院には1時間以内に到着できることを確認し、その旨を電話口に伝えると先ほどからの緊迫した空気が和み、少し落ち着きを取り戻したようです。後は搬送から火葬まで全て葬儀社の担当者が面倒をみてくれますのでご遺族は安心してお任せしていただきます。
私どもが緊急時から見積を取る時まで必ず初めにお聞きするのは搬送先。
自宅か自宅以外のところになりますが、都会では自宅以外が大多数を占めています。
昨今の集合住宅事情やら、地域のコミュニケーション不足等からかご遺体はご自宅を素通りして斎場の安置所、葬儀社の安置所、寝台会社の安置所等に預けられます。
したがって、故人にとって病院に入院する時が家との最後の別れになってしまうようです。
私事になりますが、10年ほど前伯父の葬儀の時自宅に戻らずいきなり斎場に安置されたことを聞き、ビックリしたのと同時になぜという疑問が残ったことが思い出されます。
ご自宅への搬送に支障がないようでしたらできるだけ一度ご自宅にお帰り頂き、住み慣れた我が家から出発されるのも故人への最後のプレゼントにならないでしょうか。
自宅以外の場所に搬送され、大勢の会葬者と豪華な祭壇に囲まれ、静々と執り行われる通夜・告別式がある一方で、このところ病院からご自宅に搬送され、一晩ゆっくりご家族と過ごし、翌日火葬に向われるというシンプルなケースが立て続けに見受けられました。
質素倹約だけではない家族の繋がりが感じられ、見送り方の多様性も芽生えてきたよう思われます。