家族葬が増加の背景

 家族葬のように身内を中心とした葬儀が増加している背景には、地域コミュニティーの力が弱まってきているのにともなう近所づきあいの減少や、核家族化による親戚づきあいの減少、少子高齢化ということが大きく関係していると思われます。また、葬儀費用面からみて、葬儀費用を節約することができるため、家族葬の増加に拍車をかけているという面も見逃せません。

 2002年に東京都生活局が公表した「葬儀にかかわる費用等調査報告書」によれば、「家族の葬儀の規模についてどのように考えるか」という質問に対して、51%の人が「親しい人とこぢんまりと行いたい」と答えています。また、家族ではなく、「自分の葬儀の規模についてどのように考えるか」という質問に対して、59%の人が「親しい人とこぢんまりと行いたい」と答えています。

 葬儀に対する意識は、「多少はお金はかかっても人並みに」や「お金をかけてでも立派に」というものから、こぢんまりとした葬儀に徐々に変化してきていると言えます。