「本音は家族だけで静かに見送りたいのですが・・・・」

 「母の具合がかなり悪く、万が一の時を思って電話しました。自分たちは家族と親しい親戚のものだけで家族葬の形でやりたいのですが、母が地元の商店街にお店を出していましたのでお世話になった商店会のお知り合いの方達を無視する訳にもいかないし・・・」
お気持ちが揺れていらっしゃいましたが、電話口でしばらくお話しているうちに決意されたようです。
 万が一の後はご自宅にお帰りになる予定となると、ご近所に分かってしまい、たとえご葬儀前に、きっぱりとお断りしてご自分達の意見を通そうとしても難しい状況になりそうです。
 そんな中、概算の見積りを会葬者150名ほどでお取りした直後、急変されてしまわれました。
 お母様をご自宅にお連れした後、ご遺族は葬儀社との打ち合わせに入り、最終的に商店会、町内会の古くからのお知り合いを中心に会葬者300名までに膨れ上がってしまいました
 
 今回のように周りの状況で許されないような場合もあり、家族葬を希望されていても色々と制約があるようです。
 それでも地元や地域との密着度が薄い都会を中心に益々増えてきています。
 高齢で直接の友人知人もいないのでご家族だけで見送りたい、仕事関係の義理で来て欲しくない、費用があまり掛けられない等理由はそれぞれです。
 秘密時に葬儀を終えてから、ご喪家からご報告されるのが一番かと思いますが、どこかで情報が漏れてしまう可能性が往々にしてあるようです。 
 ならば始めにはっきりお断りすると言ってもいらっしゃる方はいるようです。
 「家族葬にしたいのですが、近所知人が来た場合どのように対応すればよいのか」心配のメールやお電話も度々頂きます。
 お断りしてもいらっしゃったお客様はそれなりに故人との関わりがある方ですので丁重にご案内し、通夜でしたら受付を済ませ、ご焼香の後礼状・返礼品を手渡し、お清め所にご案内します。葬儀・告別式も同様にご焼香の後、礼状・返礼品を手渡し、最後のお別れをし、ご出棺まで立ち会って頂くことになりますが、一連のことは全て葬儀社の担当者が誘導致しますのでお任せします。
 思わぬ人数になる場合もありますが、そこは担当者の腕のみせどころです。 
 礼状や返礼品は多めに持ち込んでいますので比較的トラブルはありませんが、通夜のお食事等は急に増やすにしても限度があります。ベテランの担当者は状況、条件を駆使して臨機応変に対応してくれることと思います。