皆さんは社葬のお手伝いをしたことがありますか。
開式1時間以上前斎場に集合し、社員としてこれから始まる社運を賭けた儀式に緊張の面持ちで臨んだことと思います。
不慣れな上に会社主体の組織的な儀式となれば表面的で無個性さが目立つように思われがちですが、傍から見ていると意外に個性的な面が浮き彫りになり故人の人となりがでるように思われます。
というのも永年経営にタッチされたり、ご自身で創業されたりとその社を牽引されてきた方々ですので、会社の空気が故人とイコールになっている場合が多く、強い個性は組織をも包み込んでしまわれているようです。
先日立会いましたお別れ会は豪放磊落でならした弁護士さんでした。
ご葬儀は思い出コーナーやお食事、返礼品の類は一切ありませんでしたが、多くの先輩後輩に慕われた故人の想いが集まった参列者に十分伝わった式になったように思われました。
シンプルであるゆえに最後のお別れに集まった方々と故人との繋がりがすっきりと浮き出たご葬儀になったようです。
護国寺で行われましたお別れ会の場合は故人の墨絵、油絵、写真等の作品がロビーいっぱいに飾られている中、社員一同一丸となってきびきびと動いている様は傍から見ていてもよく分かりました。
創業者が亡くなられ、長男への引継ぎ最中で当日は大切なお披露目の日でもあるわけです。関連会社にあいさつ回りの間をぬって行われた葬儀社との打ち合わせの中にもこれからの新体制の会社をいかにアピールすることができるか気にかかっていらっしゃるご様子。先代社長に成り代わって100名の社員が総出で新社長をバックアップしながら、団結力の強さを見せた葬儀になりました。
社葬とは威厳をもって静々と進行するものだと言われるが、故人の個性が際立つ葬儀
でもある。