お布施の金額はピンからキリまでありますが、お値段の問題だけではありません。

 「菩提寺にお布施を幾ら渡せばよろしいのでしょうか」最近時々聞かれる質問ですが、一口で幾らぐらいとは言いにくい。
菩提寺も宗派によってそれぞれ違いますし、同じ宗派でもお寺によってかなりの差があります。
 まずは、ご親族の長老を始めとする、年長者のご意見を伺い、また同じ信徒の方にも伺ってみることをお勧めしていますが、最近は両者ともご存じない方が増えてきて、あまりお役にたたないようです。
 逆に菩提寺から提示され、金額がご喪家にとって高額過ぎる場合は、直接現状をお話して菩提寺に掛け合う形を取らざるを得なくなります。
 いずれにしても、菩提寺との対話が必要不可欠になってきています。
 
 一方、菩提寺を持たないご喪家の場合は、葬儀社の担当者が手配したご住職ですと大体の相場があり、一般的なお値段に落ち着くようです。それでも、値引き合戦があり、半値以下のお値段を表示するところも出てきています。
 大方の葬儀担当者はご喪家の葬儀後の相談にものれるように、お寺を所有しているご住職にお願いすることにしていますが、お寺を持たないお坊さん達の派遣をしている業者の方もあり、そちらは読経専門に相場の何分の一かの費用でまかなえるようです。

 しかし、ご相談者の中でもご両親の葬儀に直面し、初めて実家の宗派を知り、葬儀以後の不安を口にされる方も増えています。
 葬儀社の担当者もその場限りではなく、葬儀後の49日法要、法事等などの相談にも乗っていただけるご住職の紹介を心がけ、現にご紹介したお寺とのお付き合いがずっと続いているご喪家の方も多くいらっしゃいますとのことです。
 お布施は一概に高い、安いの問題だけではないようです。