入梅前のつかの間の青空が顔を出しても、今年はいつもの年とは違うコロナウイルスとの戦いという難問に戸惑い、困惑している毎日が続いています。
テレビの報道番組は、相変わらず刻々と変わるコロナ報道に一喜一憂の様相を呈し、中には規定で、お葬式の出席者人数に制限を設けた国も出てきているとの由。
そんな状況下の中でも季節は巡り、今年も実家から梅の実が送られてきました。
部屋いっぱいに広げられた梅の実は日が経つにつれ、芳醇な香りに包まれ、後は「梅仕事」を待つだけとなりました。
この時期に梅の実を使って梅干しや梅酒、梅ジュース等をつくる作業を、昔から「梅仕事」と称し、特別視されていたとも伺っています。
私事で恐縮ですが、実家の母が元気な頃植えた梅の木も、母の手入れのおかげで順調に伸び、いつの間にか実を結び、最盛期は優に100㌔以上も収穫される程に成長し、当初見向きもしなかった梅の実ですが、10年ほど前から友人知人に「母の供養のために・・・」と半ば強引に、お配りさせて頂くようになりました。
しかしながら、母の死後は手入れもままならず、年により当たりはずれが多くなり、それでも不肖の娘は梅の収穫に合わせ、季節外れのお墓参りを兼ねて帰郷しておりましたが、今年はコロナ騒動で身動きが取れず、残念ながら次回へ繰越となってしまいました。
代わりに梅を介して友人知人の近況報告が続々と届いています。
皆さん一様にコロナ騒動で鬱々としていた気持ちを切り替えるチャンスとなり、「お墓参りの節はよろしくお伝え下さい・・・」との由。
「お母さん、コロナ騒動が一段落した折には、お墓参りに伺います」
久しぶりに元気をもらい、当方も皆さんに負けず、明日からはいよいよ梅仕事を始めます。