年明け後も再び猛威を振るい始めたコロナ禍の中、先日ご高齢の御父様の万が一を心配され、直葬を想定した見積りの御相談を頂きました。
お見積りをお取りするにあたり、ご要望等を整理する中で、どなた様のご意向かをお尋ねしたところ、喪主になられるご予定のお兄様が、優柔不断で一向に行動を起こしてくれない為、あくまで弟様であるご相談者の一存との由。
しかしながら、やり直しが効かない御葬儀は、ご相談者お1人のご判断だけでは、後々難しい状況が出てくることもございますので、ここは当事者である入院中の御父様とも御相談され、御父様のご意向を汲み、改めてご連絡頂くことになりました。
コロナ禍という特殊状況下と言うこともございますが、最近の御葬儀は通夜を省いた1日葬ないしは、お式も省いた直葬がいつの間にか主流を占め、じっくり最期のお別れを・・・の感が遠のいてしまわれたご様子です。
十年一昔とは言われますが、その昔当時のラジオトーク番組で「昨今のお葬式事情」が取り上げられ、「直葬」について激しいバトル合戦が繰り広げられ、ご高齢の視聴者から御葬儀について「昔から老い支度と言って、いざと言う時困らないように、御葬儀費用は貯めてきているはずだ」と激昂されたことが、今や懐かしい思い出の一コマとなってしまった感は否めないようです。
日常化されつつある直葬も葬儀社各社の工夫が施され、臨機応変な対応ぶりで、自社の安置所でのお別れや、出棺30分前にお越し頂いて柩へのお花入れが可能な社、火葬前日にお越し頂き1時間ゆっくりお別れが可能な社、中には和室にお布団のままご安置され、一晩付き合うことが可能な社等、ご喪家に寄り添った工夫もされて来ています。
世の中の状況の変化に応じ、葬儀社により最期のお別れも大分様変わりを見せていますが、御葬儀担当者と御相談され、願わくばお見送りされる方々にとっても、悔いのないお別れが出来ることを願っています。