ご両親に葬儀はいらない、直葬でやってくれと言われたら・・・。

 最近は都会を中心にご葬儀を省いて病院から火葬場に直行される方が増えてきています。ご遺族側の事情でご希望される場合が多いのですが、時として、葬儀はするなと言うご両親の意思を尊重しつつも戸惑われ、ご相談される方もいらっしゃいます。
 以前、直葬のことがマスコミで採り上げ始めた頃、お元気なご高齢の方が自分の時はぜひ、このやり方でお願いしたいと事前見積りを取り、ご兄弟の方にもお薦めされていらっしゃいました。
 いざという時には息子さんにこの見積りを見せて、葬儀社に連絡してもらうとのことでした。
 従来のご葬儀に疑問を投げかけ、無宗教でご葬儀無しを貫きたいという硬い意思をお持ちの方ですので、きっと息子さんを説得されることと思います。
 
 しかし、残されたご遺族が戸惑われるケースが多いのも事実です。
 先日お取りした見積りでも、始めは通夜・告別式は不要というお母様のご希望から、火葬のみと一応チェックしましたが・・・。読経は知り合いのご住職にお願いしますとのこと。お墓はすでに霊園にあり、お母さまは戒名にこだわりをお見せになっているとのことで戸惑いぶりが文面に読み取れました。
 
 直葬の場合の読経は火葬場の釜前でご焼香をしている間の4~5分しかないこと、病院からご自宅に搬送されるのであれば、ご住職にご自宅に来ていただき枕経をされては・・・。戒名にこだわっていらっしゃるからには矢張り仏式できちんと読経された方がよろしいのでは・・・。
 また、式場確保が必要になりますが通夜をはぶいて、1日葬という方法で読経されるもあるとの提案もいたしました。

 色々と考慮されましたが、ご予算との兼ね合いで、矢張りお母さまの意思を尊重して
 火葬のみにし、ご自宅ではゆっくりとご家族と最後の夜を過ごされました。