直葬は様々な顔を持っている・・・。

 昨年来からマスコミでも取り上げられ都会を中心に増えてきた直葬。
 火葬のみと言われ、通常の通夜、葬儀・告別式を省いて死後24時間を経たご遺体を、直接火葬するやり方ですが、一口に直葬と言ってもお別れの仕方は様々です。

 例えば、こちらで火葬にされ、ご遺骨で地方にお帰りになってご葬儀をされる方。
 病院から一旦ご自宅に戻り、最後の夜をご家族に見守られ過ごされる方。
 ご自宅での最期を迎え、そのままお迎えに来るまでご家族とご一緒の方。
 病院から火葬場に直行され、お別れ室や炉前であわただしく読経しお別れをされる方。
 病院から一旦葬儀社の安置所に搬送され、安置所でゆっくりお別れができる方と千差万別です。
 
 一昨年位までは特別なことのように思われていた節がありますが、テレビ・ラジオで盛んに紹介され、世間に認知され始めると瞬く間に広がり、葬儀社によってはかなりのパーセントを占めるとまで言われています。

 当センターでも直葬を望まれる方が目立ってきて、アンケートで頂いた回答の中にも、様々なご事情が伺えます。
 生後間もないお子さんをご自宅で亡くされた方は、よく分らないことばかりだったので葬儀社の担当者に相談に乗ってもらい、少しおせっかいくらいに親身になって貰ったとのこと。
 また、通夜、葬儀は青森のご実家で執り行うので、火葬のみにされた方。
 長年の介護で手元資金の余裕がなく、ネット検索で費用負担をかけずに行う為の相談窓口としてご相談された方。
 50万円のお布施代はお出しになったが、葬儀社に無駄な費用は払いたくないとおっしゃる方や特別室での火葬、大理石の骨壷にこだわった方。
 形ばかりが先行する葬儀のやり方にどうしても納得がいかず、最も身近な者だけの義理のない、静かで安らかな気持で見送りたいという思いを担当者が汲んでくれ、それを実に的確に捉えてことを運んでくれたことに感謝している方等、都会生活の縮図がそのまま映し出された形が見えてくるようです。