長寿国日本のご葬儀を考える・・・。

 このゴールデンウィーク、久しぶりに会った御年92歳になる伯母は至って元気でした。
 家事一切を1人でこなし、眼鏡なしで読書をし、1日30分の散歩は欠かさない。
 周りを見渡すと最近伯母のような元気な老人をあちこちで見かけるようになりました。

 20年前、東大のお医者さんから人間の寿命は大方90歳。それが証拠に89歳の声は聞いても、90歳は聞かないでしょうと言われ、妙に納得したことが思い出されます。

 ご葬儀の立会いに伺った折、式が始まる前に柩の窓を開け、お身内の方やお友達の方がご喪家のご好意でご対面をされているご様子をみていると、故人様の大よそのお歳が想像されます。
 ご高齢の故人様の場合は悲しみの中にも和やかな空気が漂い、中には笑顔でのぞきこむように話しかけていらっしゃる方もお見受けします。

 お式を待つ間もまるで故人が皆を引き合わせるために設けたお席のようにお話が尽きず、時として故人様を忘れたかのごとく、笑い声に包まれた明るい式場の雰囲気は満足度の高いお式へと伝わっていきます。

 100歳以上の方のご葬儀に紅白のお祝いの品が添えられる地域もあると伺います。
 その昔、昭和3年の昭和天皇御即位の礼の折は長寿のお祝いとして85歳以上の方に特別にお祝いが配られたと伯母から聞くが、今や85歳は女性の平均寿命にも達していない。
 しかし、これからの20年後はさらにプラスされ、110歳まで生きてやっとご祝儀にありつけられるのか。
 それともマイナスされて100歳以下に引き下げられてしまうのか。
 長寿国日本は微妙な時代に突入しているようです。