私事で恐縮です。
母が生前植えた梅の木が例年並みの実を生らせ、今年も母の供養とばかりに、半ば強引に友人知人に送り届けました。
送り届けるにあたり、先日前もって昨年初めて梅干し作りに挑戦した我々一年生の出来ばえをチェックしたいと、懇切丁寧に梅干しのレシピを解説してくれた先生からの提案がありました。
出来ばえは今ひとつの感がある作品を持ち寄り、その原因を探ろうと先生に質問攻めの我々1年生は、先生の作品を試食してわが作品との違いを実感させられました。
レシピ通りに教えを守ったつもりがこの違いはなんだろう。口に入れた瞬間は分らないが間もなくその力量が歴然としてきます。
先生の梅干しを食べながら、これはどの世界にも当てはまるのではと、ふと、身近なケースに思いがいき、頭を過ぎったのは不謹慎ではありますが、ご葬儀の担当者の采配ぶりでした。
通夜、葬儀告別式と一定の時間をノウハウだけでやり過ごす方と、ノウハウを縦横無尽に使いこなしていらっしゃる方とでは、やり直しがきかない世界だけに歴然としたものを感じます。
ノウハウだけではどうにもならないものがあることを、梅干し1年生として改めて実感している次第です。