「白檀の仏様って良いと思わない・・・。今度会いに行きましょうよ」電話口に友人の弾んだ声が響きます。
白檀ってあの甘い香の・・・。とっさに、仏像と甘い香が結びつかなかったが白檀の仏像は古くから貴重なもので尊ばれているとのこと。
1人住まいの友人がかつて大枚をはたして手にいれた、巾1m以上もある信楽焼きの陶板の落ち着き先を思いあぐねていた矢先、新聞でお寺が全焼した記事を見て、ここだと直感し、早速に連絡を取ったのが事の発端でした。
やがて一度は全てを失い周りの方から有形無形の助けをうけたご住職は、再出発にあたり皆様のためにもとインドまで出向き、これぞと思う白檀を手に入れ、やっと気に入った仏像を完成されご安置できた喜びを友人にご報告されたようです。
扇子やお香、またはハーブのアロマオイルから想像する甘いかぐわしい香が静寂なたたずまいの仏像にどんな息を吹きかけてくれるのだろうか。秋にお会いできるのを楽しみにしています。
白檀の香はリラックスをもたらし、深く瞑想する時には欠かせないとも言われ、正倉院の御物の白檀は悠久の時を経て今も香り続けているそうです。