猛暑続きの今年でしたが、ようやく秋の気配が漂ってきました。
秋といえばジャズの季節とも言われ、都内各所で町おこしのジャズ・フェスティバルも年々盛んになってきたようです。
少し前になりますが、そんなジャズを愛した方の無宗教葬に立ち会いました。
故人は地元で長年ジャズ喫茶をやっていた方で、通夜には往年のジャズ仲間が勢ぞろいされたようです。
葬儀社の担当者は通常棺の正面に置かれている献花台を右側に置き、会葬者が献花をされてから正面に来て故人とゆっくりお話をしてもらうような形を作り、棺の蓋を開けてご遺体もきれいなので胸から上をお見せし、お仲間と最後のご対面をゆっくりとしていただきました。
棺の左側には思い出のコーナーを設け、ご対面の後ゆったりとジャズが流れる中思い出に浸っていただいていました。
と、突然飛び入りで仲間がトランペットを吹きだすや懐かしい曲が次々と飛び出し、ジャズメンらしい最後になりました。
実は故人のご兄弟皆さんが、この無宗教葬に反対で、とりわけ強かったのは一番上のお兄様。
ところが、このお兄様が通夜の最後のご挨拶では号泣され、涙ながらにこんな素晴らしい通夜は初めてだと感極まったご様子でした。
往年のジャズメン達は興奮冷めやらぬ面持ちで、ブランデーケーキと次は自分の番かもしれないと臨海斎場のパンフレットをお土産に家路を急いだとのことです。