『昨晩はお忙しいところお越し頂き、有難うございました』
エレベーターを降り、受付に向った老夫婦はお声を掛けられ思わずほっとされ、安心したような和やかな表情を見せていました。
声の主は葬儀の担当者でした。
緊張のあまり日頃の気配りが出来にくい喪主やご喪家に代わり、担当者は常に俯瞰の目で周囲に気を配り、いち早く対応できる雰囲気を創っておくことが大事なようです。
特に葬儀・告別式前の緊張した空気の中でお客様をお迎えする一言は、その後の出来不出来にまで大きく左右し兼ねません。
葬儀に流れを創り、その流れに乗って一気呵成に出棺まで持っていくのは矢張りベテラン担当者に一日の長があるようです。
同じような1時間のご葬儀でも担当者により、全然違うものになってしまいます。
ベテラン担当者はいつの間にか、そのリズムを会得されているのでしょう。