めぐりくる時間を大切に。

  いつもは夕方の買い物客で賑わう商店街もシャッターを下ろしているところが多く、早くも今日からお盆休みに突入したのか 心なし東京の街中も静かに感じられます。

 8月の旧盆も明日から始まりますが、地域によっては今日が盆の入りのところもあるようです。

 今年は天候が荒れ模様で、今日も夕方から東京地方は凄まじい雷雨に見舞われ、せっかくお見えになられたご先祖様もさぞかし戸惑われたことでしょう。
 ご先祖様をお迎えする迎え火も雷雨の前にはかき消されてしまいましたが、無事ご実家にたどり着きましたでしょうか。

 ご先祖様の中でも今年初めてお盆を過ごされる方もいらっしゃると思いますが、新盆と呼ばれ別格で、ご葬儀にご出席いただいた方々から再び大いに歓待されることとなります。

 当方の実家のある遠州地方での新盆は第2のお葬式とまで呼ばれ、盆の入りから出までの4日間で、百人単位の方々が新盆のお宅に次々とご挨拶にお見えになりますので、この間家人は息つく暇もないないほどの忙しさを体験させられます。

 また、同時に盆供養も盛大に行われ、子供の頃見た、通称「とったか」と呼ばれる遠州大念仏は、新盆のお宅の庭先で披露され、花笠を背にした30人余りの男衆が勇壮活発に太鼓を打ち鳴らし、笛の音にあわせて念仏や歌枕を唱和する姿は数十年経った今も脳裏に焼きついています。

 お亡くなりになられたことはとり返しがつきませんが、私達日本人はめぐりくる時間を大切にしており、命日と共にお盆になったら戻っていらっしゃることを心のより所にしております。

 少し慌しい新盆になりますが、懐かしいお顔にきっとお会いできることと存じます。