ご葬儀で大切なこと・・・。

ご葬儀ではご葬儀の数だけご喪家のご要望も様々です。
 その一つ一つのご要望に応えるべくして、ご葬儀の担当者は、常にご喪家の身になって考え、そのための努力も惜しまず奮闘されている様子をよくお伺いいたします。

 先日のご葬儀では、ご自宅でのご逝去の後、通夜までの6日間をご自宅のお布団上でのご安置となり、当日斎場に向かわれた方がいらっしゃいました。

 ご自宅の玄関からはサイズの関係で棺を出すのが難しく、納棺もできない状況でしたが、お話を伺った担当者は、喪主様の最後までご自宅で見守り、ご自宅から出発されたいとの強いお気持ちを察し、直ちにご希望通りにする旨申し上げたとのことです。
 当初ご親族の中には心配される向きもありましたが、毎日ご自宅に伺って状態を見守り、どうしても難しい状況となったらすぐ手を打つので大丈夫なことを説明し、お任せいただいたとのことです。

 梅雨時期とはいえ日差しはすでに真夏を思わせる中、ご年配の方でしたので顔色を明るく薄く化粧をほどこし、最初から多めにしっかりとドライアイスを後頭部や首筋等のお身体の要所にあて、お部屋を冷房し、お線香をあげていない時は暗闇にして、無事通夜当日が迎えられ、ご家族ご親族の皆様に見送られての旅立ちとなりました。

 以前、ご相談者からこんなお葉書もいただきました。
 ご相談者からのご要望の中で、病院から安置所に行く途中、ご自宅前を通ってほしい旨お聞きしておりましたが、ご葬儀は事前相談をお受けしてから大分時間が経過しておりました。
 
 お亡くなりになられた当日、皆様はそのことをすっかり失念していましたが、葬儀社さんは自宅前でしばし停車し、お祈りをしてくれたとのこと。

 「元気で帰ってこれなくて…。悲しく無念でしたが一瞬でも立ち寄っていただけたことで、心が救われた気がします。このタイミングをおいて他になかったですから。また、足が痛い母を一緒に車に乗せていただき本当に助かりました。一通りの打ち合わせを済ませた後、自宅まで送っていただいたことも深く感謝しております。その後、遺影写真と共に、たまたま別な目的で故人が書き残したメッセージをお渡ししたところ、会葬礼状の文面の最後に印刷していただき、原文は額に入れて安置所に飾ってくれたこともありがたかったです。故人を大切に考えてくださっているお気持ちが伝わり、思わずまた新たな涙を流しました」

 ご葬儀という状況の中だからこそ、心遣いが必要です。