生活保護を受給されている方の葬儀

 先日、生活保護を受けている方から葬儀社を紹介して欲しいというご相談を受けました。
 詳しいお話しを伺うと、ご対象者は同居されているお父様で、自宅治療を行なっているとのこと、医師からは今晩から明日が山と伝えられ、ご自身で数社の葬儀社に問い合わせをしたが断られてしまったとのことでした。
 深夜の時間帯で福祉事務所の担当者にも相談することが出来ず、万一のことが起こった際にはどこに連絡をしてどのような手続きをしたらよいのか、など、お電話口の声はとても不安そうなご様子でした。
 センターからは、万一の際にはすぐに動ける葬儀社さんを紹介させていただき、直接事前相談のやりとりを行なっていただきましたが、その葬儀社さんに次に電話が入ったのは、ご相談から3時間後のご逝去の連絡でした。

 病院でご逝去された場合には、事前に葬儀社の情報は持っていなくても、紹介などにより、少なくとも依頼できる葬儀社の見当はつけることが出来ると思いますが、ご自宅で看取られる場合は情報も少なく、しかも、お身内のご逝去という一大事という状況で、自分ではどうにもできないという不安はとても大きなものだと思います。

 ご相談者からの問い合わせを受けた葬儀社さんがどのような理由で断ったのかは定かではありませんが、たとえ対応できない状況だったとしても(対応できない状況とは考え辛いところですが)、葬祭扶助で行なう葬儀についての手続きなどのアドバイスだけでもしてもらえたら、少しは安心できたのかもしれません。

 葬儀社の紹介は電話で行ないましたが、ご紹介の際にこちらからの「今、メモをして頂くことはできますか?」との問いに、「はい!大丈夫です!」と、声が少し明るくなったように感じました。