斎場と葬儀社の関係は大きくわけて二つあります。

 斎場と葬儀社の関係がごちゃごちゃになっている方も多く、一緒のものだと勘違いしている人も中にはいます。

 葬儀社と斎場は一致する場合とそうでない場合があります。一致する場合とは、葬儀社が所有している斎場を利用する場合で、一般的にその斎場はその葬儀社しか使えません。つまり、葬儀社所有の斎場を利用したい場合、葬儀社選びと斎場選びは同じになります。

 一致しない場合というは、公営斎場や民間の貸斎場を利用する場合で、その斎場は基本的に場所だけ提供するので、そこで葬儀をするには葬儀社が必要になるわけです。つまり、こうした斎場を利用するには、そこに精通した葬儀社に依頼することが安心につながります。

 ちなみに、斎場を所有していない葬儀社のほうが、所有している葬儀社よりも数の上ではるかに多いです。また、自社で斎場を所有していている葬儀社でも、公営斎場や民間の貸斎場を頻繁に利用しています。

葬儀費用を抑える方法にはどのようなものがあるのか。

 葬儀費用のカテゴリーの中で、前回、会葬者が増えれば葬儀費用がが上がらざるを得ないということを書きました。

 そうなると逆に、たとえば、葬儀予算を抑えたいと考える場合、もっとも簡単な方法は会葬者数を絞るということになります。火葬儀や密葬、家族葬というようにです。葬儀費用の面で見ますと、火葬儀や密葬、家族葬は人が少ないので、一般の葬儀よりも費用はかかりません。

 その次に考えることは、各品目の単価を下げるということです。たとえば、飲食一人当たりの単価を下げるとか。そして、最後に不要な品目を外すということです。

 ただし、葬儀は予算のことだけを考慮すればいいということではもちろんありません。葬儀は一回しかできない、取り返しがつかないことですし、様々な関係がありますから慎重に総合的に考えるのがよいと思います。

社葬費用の分担について

 社葬は、会社が主催して行う葬儀です。会社が費用を負担し、運営の責任を持ちます。

 もう少し正確に言うと、社葬の費用の中で、会社が負担する割合はケースによって異なります。例えば、社長・会長が亡くなった場合、副社長・専務・常務が亡くなった場合、取締役が亡くなった場合などでは、会社が負担する費用の割合が異なる事が多いようです。

 社葬にかかった費用を経費として計上するためには、取締役会議での社葬に関する議事録と領収書が必要です。全ての出費に対して領収書を取っておかなければいけません。

 ただし、社葬への会社の支払いが一般的に見て過大であると税務署が判断した場合、たとえ領収書があっても故人への退職金または賞与の一部とみなされ、遺族への税負担がかかる場合もあります。支出に関してはそういう場合を考慮した配慮が必要です。

よりよい家族葬のために大事なこと

 よりよい家族葬にするためのポイントは、関係者に失礼のないような形でお知らせし、人間関係の問題を起こさないことがもっとも大切です。

 そして次に大事なことは、斎場および葬儀社選びを適切に行うことです。家族葬は人はそれほど集まらないわけですから、斎場は大きい必要はありません(それゆえ祭壇もそれほど立派な必要もない)。

 葬儀社は、そうした斎場(および祭壇)を提案してくれ、家族葬だからといって手を抜くようなことをしないところを選ぶことが大事です。

会葬者数による葬儀費用の変動について

 葬儀費用の中で、会葬者数によって強く影響をうけるところがどこかを深く理解しておくとわかりやすいです。

 たとえば、飲食・返礼品はそのものずばり会葬者数によって数量が変わってきます。

 そして、会場と祭壇も影響を受けます。たとえば、300人の会葬者で自宅でというのは、無理があります。それ相応の会場が用意されなければなりませんし、祭壇もそれにふさわしいものがよいと言えます。逆に、家族葬や密葬では、斎場の広さも大きな祭壇も不必要です。

 つまり、会葬者が増えれば予算が上がらざるを得ないということになります(もちろんそれにともなって、香典収入も増えます)。

葬儀が形式的になりすぎていると思っている人が多い

 少し古い統計ですが、財団法人日本消費者協会が1999年に実施した調査(複数回答)では、 葬儀について、「形式的になりすぎている」(42.4%)、「もっと質素にしたほうがいい」(35.3%)、「世間や見栄にこだわりすぎている」(34.7%)、「不必要なものが多すぎる」(28.8%)となっています。

 また、東京都の例になりますが、2001年のアンケート調査(複数回答)では、「お葬式で納得がいかなかったところ」について聞いたところ、「予定より派手になってしまった」(30.9%)、「費用の追加支払いが多くなった」(27.2%)という順に高くなっており、「何もない(満足している)」(20.6%)を上まわっています。

互助会の経済産業大臣の許可とは、どういう許可なのか?

 互助会とは、経済産業大臣より許可を受け、割賦販売法に定められた指定役務(この場合、葬儀サービス)の提供を目的とした前払い式特定取引業を営んでいる事業者のことです。
 
 要するに、互助会は、会員が毎月掛け金を積み立てて、その積立金をもとに葬儀を施行してくれる葬儀社です。そして積立金の半分は、万一会社が倒産しても保全されます。

 ここで注意が必要なのは、経済産業大臣の許可は、あくまで会員から積立金をとる営業方式を認めたものなので、 葬儀社のよしあしはまったく関係ないということです。大臣の許可を優良葬儀社の証のように宣伝しているところもありますので、気をつけたほうがよいでしょう。

 また、互助会と依頼者とのトラブルがいろいろ起きていることから、公正取引委員会は「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(2005年7月)の中で次のように指摘しています。

 (事業者における留意点) 互助会加入契約時に、消費者に対して積立金完納後の割増サービス、解約の際に払い戻される積立金の額、互助会が倒産した場合の保全金額等の契約に関する諸条件について十分に説明する必要がある。

 (消費者における留意点) 互助会加入契約を締結する際、その契約に関する諸条件の内容を十分に理解することが望ましい。

葬儀の口コミ

 インターネットの普及に伴い、口コミの威力にますます拍車がかかっています。どの商品を買うかを検討しているとき、実際に使った人の口コミほど判断に影響するものはないといってもいいぐらいです。

 しかもその気になれば、インターネットにおいては、口コミを集めるのは簡単なことで、すぐに大量の口コミを集めることができます。

 しかしながら、葬儀や葬儀社に関しては日常の話題になりにくいので、大量の口コミを集めたり、質の良い口コミを得るのも難しいという事情があるように思われます。
 
 あさがお葬儀社紹介センターでは、できる限りの口コミを集めようと考えております。なぜなら、ご相談者と安心・適切な葬儀社とを橋渡しすることをポリシーとして活動するためには、地域の人たちから見た葬儀社の情報も収集する必要があるからです。

 ●葬儀の口コミを求めています
  ↑↑↑ あさがお葬儀社紹介センターのホームページでは、葬儀の口コミや葬儀社の口コミ、斎場の口コミなどをできうる限り広く多くの方々の協力のもと、情報を収集しています。

 また、当センターではご依頼者に対し葬儀施行後アンケートにご協力いただき、ご利用満足度をはかっています。紹介葬儀社の評判を聞くためです。喪家だけでなく、できれば紹介葬儀社と接した、ご家族や親族などに葬儀や葬儀社の評判を聞きたいとも思っています。その結果は、次なるよりよい紹介へのフィードバックにもいかされます。

 ●依頼者の評判
  ↑↑↑ 当センターを利用した方々のごアンケートの一部を掲載し、依頼者の評判を紹介しています。
 

公正取引委員会の「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」について

 あさがお葬儀社紹介センターのホームページでもよく引用している調査資料に、平成17年7月に公正取引委員会が発表したものがあります。

 それが「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」です。それによれば、身内の葬式の際、葬儀社側から見積書を渡されなかった施主が35.8%に上っていることなどを明らかにしています。こうした葬儀業者と消費者との取引の現状の調査を通して、葬儀業者に葬儀サービスの内容や料金について、詳細な情報を消費者に提供するように促しています。

そしてまた、葬儀業者との取引において、消費者にも次の3つの留意点に注意するよう促しています。

1、故人が亡くなって以降の葬儀業者との打合せにおいて、葬儀サービスの内容および料金の書かれた見積書を受けるとともに、葬儀サービスの内容を具体的な項目および料金が明らかにされた価格表等により理解した上で契約することが望ましい。

2、葬儀当日の会葬者数が当初の予想を上回る場合や、当日の天候の変化等により、追加料金の支払いが発生し得ることに十分留意することが望ましい。

3、互助会加入契約を締結する際、その契約に関する諸条件の内容を十分に理解することが望ましい。

見積りの取り方にもやり方があります。

 事前相談において、見積りを取って比較したいという方も増えてきております。 

 実は、見積もりも取り方があり、とり方を間違えると、その社を真に表す見積りは出てきません。当センターのサポート外の地域などで、見積りを取る方もいらっしゃると思います。以下の3つがセンターが見積りを取るときの原則です。

1、各社に同じ条件を伝える。
2、複数の社に見積りを依頼していることを伝える。
3、提示された見積りは他の社に見せない。

 1の条件では、想定する会葬者数や利用したい斎場など同じ条件で見積りを取るということです。この条件を同じにしておかなければ、複数社の見積りを見比べることはできません。またこの条件が整理されていればいるほど正確な見積りが出てきます。

 2により、葬儀社側に緊張感を持たせる効果があります。

 3の他社に見せないというのは、見せれば、見せられた社はそれよりも低い見積りを出してくるので、見積りを取る意味がなくなってしまうからです。