仏式の祭壇には大きく分けて白木祭壇と生花で飾る花祭壇があります。
近年特に使いまわしされる白木祭壇よりも、柩に手向けてその都度使いきってしまう花祭壇の希望者が増えてきているようです。
お花の値段も一頃に比べ安価になり、価格破壊とまではいかなくても、かなりリーズナブルなものも出てきています。
通常、葬儀社の担当者は依頼者に祭壇のパンフレット、アルバム等をお見せしておおよその感じをつかみ、花の種類、色、デザイン等の具体的なご要望を伺い、後は花屋さんにお任せするようです。
ご要望の中には季節はずれのお花で取り寄せるのに時間が掛かったりあちこち探し回ったりと時間ぎりぎりまで担当者は悪戦苦闘することもあると聞きます。
昨年立会いに伺った中にも、時には故人の趣味を伺いスキーの雪山をイメージした祭壇創りをしたり、またご喪家がお花の師範の場合には八分通り仕上げたところで、最後をご喪家にお任せして大変感激されたこともありました。
また、担当者の花の管理も重要です。特に正面にある百合の花などは通夜にはまだ少し蕾の状態で葬儀・告別式に咲くように室温調節をしたり、喪主花は家に持って帰るので他の花と違ってわざと蕾のものにするなどの気配りが必要になってくるようです。
先日伺った葬儀社の担当者は「10年前花祭壇が一般的に出始めた頃は毎回花屋さんサイドとイメージの差が出て喧々諤々と大変でしたよ。今では隔世の感がありますよ」と感慨深げでした。