複雑な想い・・。

 葬儀の事前相談をされる方の想いは様々なものだと思います。
 「万一の時に慌てたくない」「葬儀で後悔したくない」「騙されたくない」など、大切なお身内のご葬儀を台無しにしたくないという強い思いがあるからという一方で、ご対象の方が頑張っているのにという思いの中で複雑なご心境の中で「葬儀のことを考えていいものなのか」と思われながらご相談される方もいらっしゃいます。

 ご対象の方がご入院され、ご心配な状況である事、また、ご高齢ということもあり、万一の時に備えてということで承ったご相談がありました。
 お孫さんからのご相談で、お婆さまのご様子をお聞きすると声が詰まり、お電話でも本当にお辛い中でのご相談ということがわかります。
 ご相談当初、センターからは2社をご紹介させて頂き、それからしばらく経ったころ、そのうちの一社の担当者と直接お話しをして頂いた時点でご連絡を頂きました。
 センターからはもう一社もお会いいただいてお話しされてはいかがかとお勧めしましたが、相談をした担当者がとても信頼できる人だったということに加え、葬儀社の人と話をして、とてもエネルギーを使ってしまったので、また、その気になったらもう一社とも話しをすることもあるかもしれませんが・・・とおっしゃっていました。

 私達は、普段から葬儀についての話しをすることがあたりまえな環境にいるため、葬儀社の担当者との話しや問い合わせなども普通に行なっていることですが、本人が生きるために頑張っているのにという状況の中で大切な人の万一の事を考えなくてはならない、という複雑とは言い切れない感情の方にとって、葬儀社と話しをすること自体、とてもエネルギーがいることなんだと改めて感じました。

 センターでは、葬儀社をご紹介した後に、できれば担当者と直接お会いしていただいて、ご相談することをお勧めしていますが、ご相談者側の気持ちにもう一歩踏み込んで対応できるよう心がけなくてはと思います。