斎場選びは思い出の地としてできるだけ家の近くを希望する

 少し前までお葬式は自宅でするものだという思いが強かったのですが、いつの間にか今や都市部を中心に、大方自宅以外の式場に場所が移ってしまった感があります。
 それを都会の住宅事情や近所付き合いの希薄さなど色々な煩わしさの所為にしていますが、いざとなるとそれでも地域とのつながりは心の拠り所としてあるようです。
 葬儀社の担当者が何ヶ所かの斎場を提案した場合、家の近くを希望される方が多いと聞きます。
 
 最近立会いに伺ったご葬儀も斎場選びの第一条件は近所でした。通夜のお清めに近所の方の手作りの料理が運び込まれ、葬儀社が手配したのはメインのお寿司と飲み物だけでしたので、予想外の会葬者数になっても追加が間に合ったとのことでした。
 
 港区のやすらぎ会館でのご葬儀の場合は、依頼者の方が始め池袋方面の斎場を希望されていたのですが、自宅が西麻布ということで、葬儀社の担当者が参考までにと提案したこちらが、実は小学校の通り道にあり、故人のお母様にも懐かしい所だからと急遽変更されたいきさつがありました。
 
 国分寺のきわだ斎場でのご葬儀の場合は、依頼者のご指定でした。永年近所に住み、故人が子供の頃境内で遊んだ思い出の場所だそうです。
 故人の永年の散歩コースになっていた、つつじヶ丘の金龍寺でのご葬儀の場合は、霊柩車がまわり道をして、同じ町内の自宅前を通って火葬場に向われました。