ご葬儀も高齢化対策が必須

 葬儀・告別式の立会いに伺った日、横殴りの雨の中どうにか会場にたどり着いたのは開式20分前でした。
 「まずは依頼者にご挨拶を」と式場に足を踏み入れると、すでに司会者の方が当日の進行予定をご家族ご親族の皆様に説明している最中でした。
 担当者の「10分繰り上げの開式となりましたので」の言葉に火葬場に行く道路の混雑対策のためかと勝手に解釈していました。
 やがて菩提寺のご住職による葬儀・告別式の読経が終わり、一旦ご住職が退席され、暫くのお時間の後、再びお出ましになり、初七日の法要となりました。実はご住職は退席された後、お着替えをなさり初七日のお勤めをされたのです。これはご住職のたってのご希望でした。ご高齢であり、お着替えの時間を考慮しての10分間だったのです。

 開式まもなく中高年のご近所の方々が続々とお見えになり、瞬く間に式場の席はいっぱいになってしまい、後から来た方は隣の和室の控室に案内されていました。
 ところが皆さん和室が苦手らしく入口で躊躇され、結局ロビーにずっとお立ち頂く羽目になってしまいました。
 近年、ご葬儀を出す方もお見えになる方もご高齢者が増え、依頼者から車椅子の有無を始めとする斎場のバリアフリー対策の問い合わせが目に付くようになりました。
 都会での斎場は特に最寄駅から近く、交通の便が良いところが必須条件になってきています。
 斎場側もお年寄りや足の不自由な方々からの要求のためと称して、和室控室を洋室にリニューアルしているところが目だって増えてきているようです。