葬儀社と依頼者とでは、葬儀費用の捉え方が違います。

一般的な仏式葬儀の例ですが、4つの項目(葬儀一式、飲食、お布施、香典返し)で葬儀の総予算になります。紛らわしい表現の葬儀一式とは区別しないといけません。葬儀一式では葬儀はできませんので気をつける必要があります。

 葬儀社は、葬儀費用を「葬儀一式」のこととして捉える傾向があります。これは、葬儀一式以外、葬儀社の利益にならないので、自分の深く関与する領域だけを葬儀費用とするのです。そうすると、葬儀の総額のことを葬儀費用と思っている依頼者と、葬儀費用の理解に食い違いが起こってきます。

 これが問題を起こすのです。葬儀社から葬儀費用は○○万円といわれたが、葬儀が終わってみたら3倍もかかったということも起こってくるのです。

 消費者の意識を踏まえて説明ができない葬儀社は、サービス業としては失格と言わざるを得ないですが、この食い違いをよくわかっていて、逆に、利用する悪いところもあります。そういうところに引っかかってしまうと、先ほどの、3倍も・・・の話になってしまうのです。

 悪意がなくても葬儀社の人は、「葬儀費用」のみならず、「実費」や「立て替え」といった、自分たちの論理から来る言葉を使います。ここで、このことの是非を問うてみても意味がありません。それよりも、依頼者が気をつけるべきことを覚えておいたほうが有意義です。それは、結局、自分の財布から、実際いくら支払う必要があるのかということを見極めることです。そして、それは4つの項目であるので、それを踏まえて葬儀社の提示する見積書が何を含んでいるものなのかを見るということです。