ご喪家として葬儀の朝は一番心乱れる時でもあります。
泣いてもわめいても時間は刻一刻と過ぎて行きます。今日を限りの今生のお別れです。
そんな中でも、できるだけ平常心でこれから続く葬儀・告別式をつつがなく進行させなければなりません。
ご葬儀当日の気持ちの整理が重要なポイントになり、そのためには朝早く葬議場にあたふた駆けつけるよりも、通夜の晩一晩ご一緒され、気持を落ち着かせ、最後の朝を迎えるのも一案だと思います。
ご喪家側のご要望としても通夜の仮宿泊はゆっくりできるかどうかが決めてになるようです。
宿泊施設の完備面もありますが、実際にお泊り頂いて好評か否かはたぶんにメンタルな面に落ち着きます。
特にお寺の境内にある斎場は心の落ち着ける場所としても独特の雰囲気を持っていて、境内の持つ空間が、広さだけではないものを感じさせるようです。
先日もお寺の境内にある1階が式場2階が和室30畳ほどのお清めどころ兼親族控室になっているこぢんまりした会館でしたが、泊まられたご喪家からも大いに感謝されました。
1人息子さんでお亡くなりになられたお父様との絆が強く、現実を気持ちの中でなかなか受け入れにくい状態のまま通夜を迎えてしまわれたようです。
泊まられた会館は1ご喪家のみの使用になりますので、「ゆったりした静かな雰囲気の中で、故人を囲み思い出を家族皆で語り合い、朝早く境内を散策して行くうち次第に気持ちの整理もでき、ご葬儀への気持ちの決心が付きました」とおっしゃっていたのが印象的でした。