通夜にお出で頂いた方々にお出しするメイン料理はお寿司や肉料理のオードブル、ご葬儀が終った後の精進落しは会席膳というのが、昨今の定番になってしまった感があります。
もともとは精進料理が主だったのがいつの間にか魚と肉料理に取って代わられてしまったようです。
精進料理で魚や肉を使わないのは命あるものを殺さないのではなく、同じように命がある野菜に比べ動物や魚は今まで動いていたものが「死」によって動かなくなるように、生死がはっきり感じられるからだと言われます。
私達は自分達が生きていくために沢山の命を奪って生きていることを認識し、必要以上の命を奪わないように必要最低限の栄養だけを取るための料理だったとのことです。
通夜や精進落しの席にこそ「殺生」や「いのち」について考えさせる精進料理の出番ではないでしょうか。
そのためにも、料理人の方に現代人の舌に合う美味しい精進料理を工夫して、さらなる挑戦をしてほしいと願います。
先日も、2日間ともお料理は精進料理をと希望される方がいらっしゃいました。