消費者行政の未然にトラブルを防ぐ仕組みづくり

 大手銀行が中小企業に販売した「為替デリバティブ」と呼ばれる金融商品が、急激な円高によって多額の損失を発生させ、倒産や経営危機に陥るケースが続出して、金融庁も実態調査を始めた、というニュースを何日か前にみました。

 私の勝手な想像では次のような営業トークでしょうか。
「これからは間違いなく円安になりますよ! 円安が進んでいって、そのレートで輸入すれば商売が成り立たなくなるんじゃないですか? 円安がすすんでも大丈夫なように手を打って(リスクヘッジして)おきましょう」

 大銀行でも、恐怖心をあおりたてるような怪しい販売手法を使うご時世です。誰のどんな言葉を信じればいいものか? まともな商法と怪しい商法の境界線も思いのほかぼやけています。人には恐怖心や欲がつきものなので有効に防ぐ手立てはありそうもありません。

 そういえば、だいぶ前に読んだ、「詐欺とペテンの大百科」という本には、騙しの手口のほとんどが昔からあまり変わっておらず、古典的手口を組みあわせたり応用したものなので、防ぐ手立てはその手口を知ることだと書かれていたように記憶しています。
 たしかにこの通りでしょうが、ただこれ、一般の生活者に求められても困ります。こんなことばかり気にして生活していくわけにはいきませんから。

 という次第で、消費行政がその役割の一端を担うということになってきているのだと思います。国の消費者庁や国民生活センター、地方の消費生活センターや消費者行政センターといった具合にです。

 葬儀の世界では、現状、葬儀社には許可や認可は不要なので、これまでの行政の関わり方といえば、区民葬や市民葬、葬祭ディレクター制度ぐらいのもので、トラブル防止レベルには程遠いものがありました。
 ただ流れが少しづつ変わってきています。

 国民生活センターが2006年6月に公表した「増加する葬儀サービスのトラブル」には9つの典型的な葬儀トラブルの事例が取り上げられ、消費者被害の未然・拡大防止に資するために情報提供がなされるようになっています。

 また地方自治体の中にも、トラブル後の相談窓口的な消費生活センターの位置づけに、未然にトラブルを防ぐ仕組みづくりを取り入れるところも出てきています。

 今月初めに当センターと、「葬儀における消費者トラブル防止に関する協定書」の締結をした川崎市がそうです。他の自治体にも広がってほしい取り組みです。